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【b→dash #01】停滞しがちなマーケティング組織の特徴3選

作成者: umbrElla編集長|2024/07/211

b→dashの導入・運用に対してお悩みをお持ちの  マーケターの方・その上司の方に向け、全12回に渡り解決のヒントをお伝えしていきます。

 

ABOUT 執筆者:umbrElla編集長

累計50社以上のb→dashプロジェクトを支援。クライアントは、金融・不動産・アパレル・食品・スポーツ球団・化粧品・人材・店舗ビジネスなど業界業種を問わず、企業規模も創業まもないベンチャー企業から大手上場企業まで幅広く担当。多種多様な観点からの助言や、豊富な経験をもとに先回りした提案を強みに、b→dash初心者がつまずきがちなポイントを強力にサポートしています。

 

第1回は、CDP・MA*を導入すべきか迷っている方に向け『停滞しがちなマーケティング組織の特徴3選』をテーマにお届けします。最後におまけ資料もありますので、ぜひ最後までご覧ください。
*CDP:カスタマー・データ・プラットフォーム。複数のシステムから取得され統合された永続的な顧客データベース

*MA:マーケティングオートメーション。収益向上と業務の省力化を目的として、マーケティング活動を自動化・効率化するための方法論・技術・ツールなど

 

 

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多くのSaaSサービスが

「簡単」「誰でも使える」ことを謳っていますが、

確かに”使うだけ”なら問題ないでしょう。

ただ、多くのSaaSサービスにおいては

「そういうことは先に言ってよ~

ということが

プロジェクトを進める中で沢山でてきます。

そういった「共通する失敗」を避けるためには

信頼できるパートナーが必要不可欠です。

「代理店に頼むと高いしな...」

「とはいえ、社内に適任者もいない...」

「誰に頼んだらいいかわからない…」

このようなお悩みをお持ちの方は、

まずはお気軽にumbrEllaへ無料相談してみてください。

 

 

 

 

停滞しがちなマーケティング組織の特徴を解説するにあたり、まずは現代のマーケターが置かれている環境を、PEST(ぺすと)分析*の観点で見ていきましょう。

*PEST分析とは、マクロ環境分析をおこなうマーケティングフレームワークで、自社を取り巻く外部環境を政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの要因に分け分析する手法です。

 

1.政治的要因

データプライバシーに関する規制*(例:GDPR、CCPA)により、顧客データの収集・利用が厳格化され、マーケティング活動の自由度が低下しています。また、広告規制の強化により、特定の広告手法が制限されつつあります 。

*GDPR(EU一般データ保護規則)とは、個人データ保護やその取り扱いについて詳細に定められたEU域内の各国に適用される法令

*CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)とは、データプライバシーの一部であり、カリフォルニア州民の個人データを扱うほとんどの企業に適用される法律

 

2.経済的要因

価格競争の激化により、マーケターは差別化戦略を強化する必要があります 。価格競争により企業の利益が圧迫されることはマーケティング予算の削減を誘引し、効果的なキャンペーンの実行を難しくします 。また、グローバル競争が激化し、国内外の競合他社との競争が増しています。

 

3.社会的要因

デジタル化が進む中で、消費者の購買行動がオンラインシフトし、マーケティングチャネルの多様化が求められています。また、消費者の価値観やライフスタイルの変化に迅速に対応する必要もあります 。そのため、コンテンツの質の向上とパーソナライズがより一層重要となっています。

 

4.技術的要因

AI、ビッグデータ*、マーケティングオートメーションなどの技術進化により、マーケターにはマーケティング知識だけではなくテクノロジーに関する専門知識も求められるようになってきています。それらを通常業務・既存業務に加えて学習・実行する必要があり、テクノロジーの進化により逆に業務が逼迫(ひっぱく)されてしまっているという実情があります。
*ビッグデータ:インターネットとIT技術の発展により、蓄積されるようになった膨大なデータ(テキスト、画像、動画、音声など

 

以上の環境要因を踏まえた上で、停滞しがちなマーケティング組織の特徴を見ていきましょう。

 

 

停滞しがちなマーケティング組織の特徴とは?①

まず、PEST分析という大層なフレームワークで解説させていただきましたが端的に申し上げます。現代においてマーケティングが難しくなっている要因は、『多くの消費者のニーズはすでに概ね(おおむね)満たされてしまっている』からです。そのような環境の中で、先に見てきたような4つの要因により、足枷(あしかせ)ばかりが増えてしまっているのが実情です。

 

従って、こんなことを言ってしまえば本末転倒なのですが、停滞しがちなマーケティング組織の特徴1つ目は『あの手この手で、プロモーション(販促)することしか考えていない』です。

 

日本マーケティング協会は、1990年に制定され国内で定着している(?)マーケティングの定義を2024年に34年ぶりに刷新しました。その定義とは、『顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成(じょうせい)し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセス』です。…抽象的過ぎてよくわからないですね。

 

何が言いたかったかと言うと、「マーケティングとプロモーションは異なる」、「プロモーション(販売促進)はマーケティングの1機能に過ぎない」、ということです。マーケティング=プロモーションになってしまっている組織では、どうしても「短期的思考の施策」や「自社目線の商品提案」などが蔓延(まんえん)してしまいがちなので要注意です。

 

 

停滞しがちなマーケティング組織の特徴とは?②

次はもう少し具体的な特徴を1つ挙げてみたいと思います。これは私がこれまで支援させていただいたクライアント様において、本当によく起こっていた事象です。

 

結論から先にお伝えすると、『CPAばかり気にしていて、CPOやROAS*を見ていない』ケースが本当に多いです。先に申し上げた通り、『多くの消費者のニーズはすでに概ね満たされてしまっている』がゆえに、「新規顧客の獲得」はどんどん難しくなってきています。また、一時のプロモーションが当たったために一時期は注目を浴び、売上が急拡大することはあったとしても、プロモーションで獲得した顧客は飽きるのも早く、長期的な売上(LTV*)には繋がりづらいことも多々あります。

*CPA(Cost Per Acquisition):顧客獲得単価。無料会員の獲得や、お試し会員の獲得、資料請求などにも使われます

*CPO(Cost Per Order):注文単価。獲得した顧客のうち、特定の商品やサービスの受注を1件獲得するのにかかった金額

*LTV(Life Time Value):顧客生涯価値。1年間など期間を区切る場合もありますが、1人の顧客が生涯にわたって企業にもたらしてくれる価値・売上

 

この特徴に陥(おちい)ってしまう要因は2つです。1つ目は、「そもそもデータがない、取れない」ことです。WEB広告におけるCPAは、基本的には広告媒体の管理画面を見ればわかります。しかし、WEBマーケティングにおいても広告以外の自然流入などの成果は把握が難しく、また、WEB広告のデータと売上のデータが繋がっておらず、「CPOを算出しようと思えば出せるけど、工数がかかる」というケースも多くあります。2つ目は、特徴③で解説します。

 

以上のように、「新規顧客の獲得」が難しくなっている中、「そもそもデータがない、取れない」のなら改善が進まないのは自明(じめい)、当然です。『測定できないものは管理できない』という有名な格言があります。改善するにはまずは測定できないと話にならないのです。

 

 

停滞しがちなマーケティング組織の特徴とは?③

最後の特徴は、上記②にも関係しますが、『自分たちの管轄(かんかつ)にしか興味がなく、バラバラに行動している』です。

 

良くも悪くも、日本企業においても米国に倣い(ならい)マーケティング組織の分業化が進んでいます。また、広義のマーケティング(≠プロモーション)においては、マーケティング・セールス・カスタマーサクセスという顧客への価値提供の一連のバリューチェーンの分業も進んでいます(かつては、自分でリード(見込み客)を獲ってきて、自分で提案資料などを送り、購入後は自分でフォローする、というビジネスパーソン・仕事の仕方も存在しました)。

よくある分業体制は、新規顧客の獲得(主に広告運用やSNS運用などを行うチーム)と、既存顧客からの売上最大化(主にメールやLINEの配信などの施策を行うチーム)の2分化です。

 

その結果何が起きるかというと、前者は「なんでもいいから新規獲得ができればいい」「CPAさえ下がればいい」という発想に陥りやすく、後者は「なんでもいいから買ってくれればいい」「売上を上げるためには施策数をどんどん増やさないといけない」というような発想に陥りやすくなります。

 

BtoBのマーケティングにおいては、SAL(Sales Accepted Lead:営業が承認した見込み客)という言葉・プロセスが存在します。BtoBのマーケティングにおいては、「なんでもかんでも見込み客を獲得してくればいい」というわけにはいきません。そんなことをしてしまうと、セールス側から「君が獲得してきた見込み客は全然購買意欲がなく、まったく受注に結びついていない」などと猛反発をくらってしまいます。しかし、BtoCのマーケティングにおいてはこのような考え方をしているクライアント様はほとんど見たことがありません。

 

従って、分業化が進めば進むほど、新規獲得担当者と売上最大化の担当者の気持ちはズレていきます。「こんなに新規を獲得しているのに全然売上が伸びない」⇔「全然購入に繋がらない新規ばかりが増えて、仕方ないからあの手この手で販促するしかない」という具合です。

 

顧客からしてもいい迷惑です。「なんかめっちゃおすすめされたから買ってみたけど、思ってたのと全然違うし、次から次に新商品のおすすめとかが来てうざい」みたいな感じです。そうなっていませんか...?

 

いかがでしたでしょうか?全12回の連載のうち、今回は『停滞しがちなマーケティング組織の特徴3選』というテーマでお伝えさせていただきました。もし少しでも自社のマーケティング組織が当てはまっているな...と感じてしまった方は、ぜひumbrEllaに一度お悩みをぶつけてみてください。きっと何かのお役に立てるかと思います。



最後までご覧いただきありがとうございました。

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