b→dashの導入・運用に対してお悩みをお持ちの マーケターの方・その上司の方に向け、全12回に渡り解決のヒントをお伝えしていきます。
ABOUT 執筆者:umbrElla編集長 累計50社以上のb→dashプロジェクトを支援。クライアントは、金融・不動産・アパレル・食品・スポーツ球団・化粧品・人材・店舗ビジネスなど業界業種を問わず、企業規模も創業まもないベンチャー企業から大手上場企業まで幅広く担当。多種多様な観点からの助言や、豊富な経験をもとに先回りした提案を強みに、b→dash初心者がつまずきがちなポイントを強力にサポートしています。 |
最終第12回は、b→dashを活用し事業をさらに飛躍させていくために『b→dashから始まる本物のデータ経営・データマーケティング』をテーマにお届けします。最後におまけ資料もありますので、ぜひ最後までご覧ください。
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多くのSaaSサービスが 「簡単」「誰でも使える」ことを謳っていますが、 確かに”使うだけ”なら問題ないでしょう。 ただ、多くのSaaSサービスにおいては 「そういうことは先に言ってよ~」 ということが プロジェクトを進める中で沢山でてきます。 そういった「共通する失敗」を避けるためには 信頼できるパートナーが必要不可欠です。 「代理店に頼むと高いしな...」 「とはいえ、社内に適任者もいない...」 「誰に頼んだらいいかわからない…」 このようなお悩みをお持ちの方は、 まずはお気軽にumbrEllaへ無料相談してみてください。
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本物のデータ経営・データマーケティングを解説するにあたり、今回は最終回ということもありこれまでのブログを振り返ってみましょう。
第1回では、現代のマーケターが置かれている環境を踏まえ、停滞しがちなマーケティング組織の特徴を見てきました。直接的な解決策として明示はしていませんが、CDP・MAの必要性を感じ取っていただけたでしょうか。
第2回では、CDP・MAツールの選定においてありがちな失敗を避けるために、ツール選定において必ず押さえておかなければならないポイントを整理させていただきました。その中で、ツール選定の段階からより良いパートナー=エージェントが必要であることをお伝えさせていただきました。
第3回では、b→dashの導入が決まった方へ向けてb→dashの利用が遅れてしまうパターンの解説を通じ、b→dash推進担当者の方の重要性をお伝えいたしました。一方で、担当者だけでなく組織としても取り組んでいかなければならないことにも触れさせていただきました。
第4回・第5回では、そのような重要な役割であるb→dash担当者に必要な心構えとスキルを解説し、第6回・第7回でb→dash利用のファーストステップである要件定義のお話しから、成果が出づらい分析・施策のパターンをお伝えさせていただきました。これらは繰り返し読み込んでいただき、定期的に立ち戻っていただけるとよいでしょう。
また、第8回・第9回では、b→dash担当者の上司やプロジェクトオーナーに求められる任命責任や降りかかってくる可能性の高いリスクを挙げさせていただくとともに、リスクに備える1つの行動として、社内でのb→dashのプレゼンスを高める方策をご紹介させていただきました。
そして第10回・第11回では、b→dashの利用がある程度進んだ企業の方に向け、長くb→dashを利用する上で差が出るエラー対応や保守運用のコツをお伝えいたしました。大変地味な内容ではあるものの、ここをやりきれるかどうかが1年後・5年後のb→dashの運用能力を左右するので、確り(しっかり)と理解していただければと思います。
最終回となる今回は、これら一連のプロセスを踏まえ、あなたの組織が本当の意味でのデータドリブンな組織になるためのポイントを整理させていただきます。
本物のデータ経営・データマーケティングとは?① |
まず、前提となる考え方として『データは魔法の杖ではない』ことを心に留めてください。
「データサイエンティスト」という職種が脚光を浴び出してから、どこか「データは答えを教えてくれる」という風潮が広がってしまったように思います。「データを分析すれば顧客のインサイトがわかるはずだ」「データを分析すれば売れる商品が作れるはずだ」「~なはずだ」という幻想です。
データはあくまでも「意思決定の質とスピードを向上するためのもの」であることを再認識してください。なぜなら、基本的にデータは「見たいようにしか見えない」からです。データを見るときには常にバイアスがかかると思ってください。つまり、人間は都合がいいように解釈をする生き物であるということです。何か良い結果となるデータを見た時は、「あの施策が当たったんだ」と思うかもしれません。でも実際は他社の商品が欠品していただけかもしれません。
大切なことは、「仮説を持ち、その仮説が確からしいかをデータで確認し、意思決定の一貫性とスピードを上げる」ことです。仮説があってこそ、データが活きるのです。証券業界の雄である野村證券には、創業者の野村徳七氏が説いた『創業の精神』というものがあり、その中の一説に「企業家精神:企業家は、七割方の科学的確実性を握ったならば、それでもって、あとの三割の不確実を、突飛し飛躍するだけの勇気がなければならぬ」とあります。データがすべてを証明してくれるのならば、すべての企業は同じ答えに辿り着いてしまいます。改めて、『データは魔法の杖ではない』ということを理解してください。
本物のデータ経営・データマーケティングとは?② |
その上で、『データは第4の資産である』ことを認識してください。
企業には、ヒト・モノ・カネという3つの資産があると言われてきました。特に最近は、『人的資本経営』*という言葉も認知されつつあり、ヒトが企業における資産(資本)であることへの注目が高まっています。
*人的資本経営:人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方
そこに加わる第4の資産が、データです。「簿外資産」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?ここで言う「簿」とは、バランスシート(貸借対照表)のことです。バランスシートには、企業が持っている現預金や土地、商品在庫などの資産と、企業が抱える借金(資金調達元)および投資家から預かっている資本(+これまで稼いだ利益)などが計上されています。しかし、「データ」はこの帳簿には載ってきません。
データが資産になった最たる例として挙がるのが、Amazonの「口コミデータ」です。正直、Amazonの品揃えを真似するのは最早不可能になっているかと思いますが、それ以上にAmazonと同等の口コミデータを蓄積することは不可能です(途方もない歳月がかかります)。現代の一般消費者の購買行動において、Amazonの口コミは全く関係のない店舗での購買にまでその影響を及ぼしています。
また、かつてFacebookは当時売上0円だったInstagramを10億ドル(当時の為替レートで約800億円)で買収しました。SNSの競合となりうる芽を早めに摘んだとも言われていますが、どの狙いは「大量の画像データ」にあったとも言われています。
自社にしかないデータは何でしょうか。そのデータを自社の既存事業や新規事業に活かすにはどうしたらよいでしょうか。自社独自のデータがないのならば、どうしたら自社独自のデータを創っていくことができるでしょうか。
本物のデータ経営・データマーケティングとは?③ |
全12回の連載、その最後にお伝えしたいのは『テクノロジーの歴史は、常に自律分散型のモデルに向かって進化している』ということです。
たった2-30年前の出来事ではありますが、インターネットおよびウェブの登場により、個人も企業も自由に情報を公開し、自由に情報にアクセスができるようになりました。また、P2P(ピアツーピア)*技術の進化により、例えばSkypeなどの通信サービスにおいて中央サーバを経由せずに直接通話をすることが可能になりました。
*P2P:サーバーを介さずに端末(PC、スマホなど)同士で直接データのやり取りを行う通信方式のこと
そして、2008年に発表されたビットコインの基盤技術である「ブロックチェーン」*は、中央銀行という中央集権的組織を不要にしました。クラウドコンピューティングや、IoT(Internet of Things)*なども同様です。
*ブロックチェーン:ネットワーク上にある端末同士を直接接続し、暗号技術を用いて取引の記録を分散的に処理・記録するデータベースの一種。従来のように中央集権的なサーバを介する必要がなく取引が可能
*クラウドコンピューティング:インターネットなどのコンピュータネットワークを経由して、コンピュータ資源をサービスの形で提供する利用形態。PCとインターネット環境さえあれば、誰でもいつでもどこでもソフトウェアなどを利用ができる
*IoT:モノのインターネット。様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み。スマートスピーカーやスマートホーム、自動運転車などに利用されている技術
今、ChatGPTを始めとする大規模言語モデル(LLM)を活用した生成AIなどが「民主化」されました。誰しもが自由にAIを使える時代になったのです。このように、テクノロジーの歴史は常に主権を民衆にもたらす方向に進化しているのです。
ここで何が言いたかったのかというと、「本物のデータ経営・データマーケティング」を目指すのであれば、この民主化の動きやテクノロジーの進化には逆らえないということです。トップだけが声高に「データドリブン」を叫んでも意味はありません。b→dashの思想は、「誰でも」、つまり、データマーケティングの民主化です。b→dashを活用し、企業が持つデータの活用を民主化していきましょう。※とは言え、第11回でお伝えしたように「データガバナンス」の管理は大切です。
いかがでしたでしょうか?全12回の連載のうち、最終回となる今回は『b→dashから始まる本物のデータ経営・データマーケティング』というテーマでお伝えさせていただきました。「やはり外部の専門家を交えて一度体系的に議論したいなぁ...」と感じていただいた方は、ぜひumbrEllaに一度お悩みをぶつけてみてください。きっと何かのお役に立てるかと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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明日から使える3つのアクション
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