HubSpotの導入・運用に対してお悩みをお持ちの新規事業担当者の方・スタートアップ/ベンチャー企業の方に向け、全10回に渡り、HubSpotを使って新規ビジネスを如何にPMFさせていくかのヒントをお伝えしていきます。
ABOUT 執筆者:umbrElla編集長 自身も過去知人と共同創業したスタートアップにて、ベンチャーキャピタルからシードラウンドにて総額1億円の資金調達を達成。現在は、自社においてもHubSpotを活用しながら、b→dashおよびHubSpotの導入・伴走支援を手がけており、単なるツールの導入に留まらず企業としての競争優位性を築くための支援を行っています。 |
第7回~第9回は、所謂『10⇒100(ジュウヒャク)』のフェーズにおけるHubSpotの利点についてお話ししていきます。ジュウヒャクフェーズにおいて、新規事業であったりスタートアップに必要なのは、「GTM*(Go To Market)戦略」です。
*GTM戦略:「そのGTM戦略で、ターゲット顧客に価値を届け、勝てる見込みはあるか?」PMFを達成した製品・サービスを市場に投入し、顧客に届け、収益を上げるための戦略
サブスクリプションビジネスが主流となった現代において、プロダクト・サービスは1度売って終わりではありません。顧客を成功へと導き、利用し続けてもらうことが必須であり、所謂カスタマーサクセスの役割はその重要性を増しています。そこで第8回では、LTV最大化の鍵を握る『カスタマーサクセスの重要性』について学んでいきましょう。
HubSpotのことなら
多くのSaaSサービスが 「簡単」「誰でも使える」ことを謳っていますが、 確かに”使うだけ”なら問題ないでしょう。 ただ、多くのSaaSサービスにおいては 「そういうことは先に言ってよ~」 ということが プロジェクトを進める中で沢山でてきます。 そういった「共通する失敗」を避けるためには 信頼できるパートナーが必要不可欠です。 「代理店に頼むと高いしな...」 「とはいえ、社内に適任者もいない...」 「誰に頼んだらいいかわからない…」 このようなお悩みをお持ちの方は、 まずはお気軽にumbrEllaへ無料相談してみてください。
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多くのスタートアップが事業成長のために新規顧客獲得(アクイジション)に注力します。しかし、「売上を伸ばす = 新規顧客を増やすこと」ではありません。新規顧客の獲得だけでは成長は一時的なものになり、長期的な成功にはつながりません。持続的な成長を実現するためには、顧客生涯価値(LTV:Lifetime Value)を最大化し、既存顧客との関係を強化することが必要です。
LTVを高めるために不可欠なのが、カスタマーサクセスの戦略的な運用です。顧客が自社の製品やサービスを最大限に活用し、継続的に価値を感じられる状態を作り出せれば、解約率(チャーンレート)の低下、アップセル・クロスセルの増加、さらにはリファラル(紹介)による新規顧客獲得につながります。
本記事では、LTV向上の重要性と、カスタマーサクセスが生み出す持続的な成長の仕組みを解説します。また、HubSpotを活用してカスタマーサクセスを強化し、LTVを最大化する方法についても紹介します。
1.なぜLTVが重要なのか? |
CACとのバランスを取る経営戦略
スタートアップにとって、新規顧客を獲得するためのコスト(CAC:Customer Acquisition Cost)は重要な指標です。しかし、CACが高騰し続ける状況では、新規獲得だけで利益を確保するのは困難です。
LTVが高い顧客ほど、一度獲得すれば長期的に収益をもたらすため、CACとのバランスが取りやすくなります。例えば、以下のような関係性が成り立ちます。
- LTV > CAC:健全なビジネスモデル(利益が確保できる)
- LTV = CAC:成長できるが、利益が出にくい状態
- LTV < CAC:長期的な赤字経営になり、持続不可能
このため、新規顧客を増やすだけでなく、既存顧客のLTVを高める戦略が重要なのです。
LTV向上が利益率に与える影響
LTVが向上すると、企業の利益率にも大きな影響を与えます。
- 解約率が低いほど、安定した収益を確保できる
- アップセル・クロスセルによる追加収益で、顧客1人あたりの売上を最大化
- 満足度の高い顧客がリファラル(紹介)を生み、新規獲得コストを削減
特にSaaSやサブスクリプションモデルの企業では、顧客の継続率を高め、契約期間を長くすることがビジネスの成否を左右します。
2.カスタマーサクセスが生み出す持続的成長
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解約率を下げるためのエンゲージメント強化
顧客がサービスを解約する主な理由は、「期待していた価値を得られなかった」という点にあります。そのため、顧客が成功体験を積み重ねられる仕組みを整えることが重要です。
具体的な施策としては、以下が挙げられます。
- オンボーディングプロセスの最適化(導入時にしっかりと価値を理解してもらう)
- 利用状況のデータ分析(アクティブユーザーの行動をトラッキングし、離脱兆候を察知)
- 適切なタイミングでのフォローアップ(カスタマーサクセス担当者が定期的にコンタクト)
既存顧客のアップセル・クロスセルの最適化
顧客がサービスに満足している場合、アップセルやクロスセルによってLTVをさらに向上させることが可能です。
- アップセル:より上位プランや追加機能の提案
- クロスセル:関連するサービスや製品の提案
これらを適切なタイミングで提案するためには、顧客の利用状況やニーズを正確に把握することが不可欠です。
3.HubSpotを活用したカスタマーサクセス強化
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HubSpotのチケット管理・ナレッジベース機能
HubSpotには、カスタマーサクセスを強化するためのカスタマーサービスツールが用意されています。
- チケット管理機能:顧客からの問い合わせを一元管理し、対応状況を可視化
- ナレッジベース機能:FAQやヘルプ記事を公開し、顧客が自己解決できる仕組みを提供
これにより、迅速なサポート対応と顧客の自己解決率向上を両立し、エンゲージメントを高めることが可能になります。
顧客データを一元管理し、最適なフォローを自動化
HubSpotのCRM機能を活用することで、マーケティング・営業・カスタマーサクセスのデータを統合し、顧客ごとに最適なフォローアップを自動化できます。
例えば、以下のようなシナリオを自動化できます。
- 利用頻度が低い顧客に対して、自動でフォローアップメールを送信
- 特定の機能を未使用の顧客に対し、チュートリアルを提供
- 契約更新時期が近い顧客に対し、事前にリマインドを送信
これにより、人手をかけずにエンゲージメントを維持し、LTV向上につなげることができます。
HubSpotのフライホイール戦略とリファラル(紹介)の重要性
HubSpotが提唱するフライホイールモデルでは、「顧客を喜ばせる(Delight)」ことで、リファラル(紹介)による新規顧客獲得を生み出すことが重要視されています。
満足度の高い顧客は、積極的にサービスを利用し続けるだけでなく、他の顧客を紹介することで、マーケティングコストをかけずに新たな成長を生み出します。カスタマーサクセスがしっかり機能すれば、顧客の満足度が高まり、自然と口コミや紹介が発生し、成長の加速装置となるのです。
まとめ
- LTVの向上は、スタートアップの利益率や持続的成長に直結する
- カスタマーサクセスを強化することで、解約率を下げ、アップセル・クロスセルを促進
- HubSpotのツールを活用し、データをもとにした最適なフォローアップを実現
- フライホイールモデルによって、満足度の高い顧客がリファラル(紹介)を生み、成長を加速
新規獲得だけに頼らず、LTVを最大化する仕組みを整えることが、事業の持続的な成長につながるのです。